
終業時間のないゲレンデ
たいていのスキー場は4時にリフトを止めて温泉へ送り出します。奥利根はシーズン中ほぼ毎晩10時まで営業し、いちばん大きな日は朝6時に開けて深夜0時まで。18時間のスキーデーは、リフトの営業時間というより挑戦状です。みなかみのどこかで、東京の会社員が同じリフト券で始発と最終に乗って、それを休暇と呼んでいるはず。
照明の奥の山は、ナイター向けゲレンデにしては本格的すぎるほど。リフト7基で約1,180mまで上がり、そのうち2基はコースを延ばすために上部に追加されたもので、標高差は約500m、トップから麓まで約2.5km。コースは初級、中級、急斜面がほぼ均等に分かれ、最大斜度30度、無料のテレインパーク、そしてわざわざ苦しみたい人のためのコブのラインもあります。
難点は、圧雪バーンの国で林やオフピステと呼べるものはなく、雪は北海道の雪ではなく群馬の雪で、週末は関東からの車でにぎわうこと。でも小学生は毎日リフト無料、駐車場も無料、関越道からすぐなので、東京から行ける標高差の大きなゲレンデとしては指折りの楽さです。このレビューでは、どんな人に向いているか、昼と夜の滑り方、泊まる場所を整理します。
スキー場データ
- 標高差500m(1180m → 550m)
- 降雪量約4m
- コース比率 30% 40% 30%
- ツリーラン
- リフト券¥6,500
- リフトペア6基、シングル1基
- 混雑度
- コース外滑走不可
- ナイター
- 家族向け
- コース数9
- 滑走エリア約32ha
- 雰囲気長い営業時間、高速カービング、地元の熱気
コースマップ
宿泊施設
地図で見るベースに町はないので、泊まるのは水上温泉か利根川上流の小さな温泉地。実用的なのは水上温泉で、川沿いの水上ホテル聚楽のような大型旅館、ビジネスホテル、ペンションがゲレンデから車ですぐ。飲食店とコンビニがいちばん多く、ナイター帰りが遅くなっても困りません。初めての温泉なら温泉ガイドもどうぞ。
もっと静かに過ごすなら、谷を少し上った湯檜曽や谷川温泉へ。谷川には谷川連峰を望む専用風呂付きの高級旅館「別邸 仙寿庵」があり、スキーの拠点というよりごほうびですが、その価値はあります。同じエリアの家族経営の小さな宿や民宿ならずっと安く、それでも温泉としっかりした朝食がついてきます。
どこを選んでもナイトライフはおとなしめ。みなかみは温泉町で、いちばんにぎやかな夜でも、10時にリフトが止まったあと駅近くの居酒屋でビールを一杯、といったところです。
パウダーとコース
奥利根はまずフォールラインのカービングの山。上部のリフトで新しくできた山頂エリアへ上がれば、30度の急斜面と標高差のいちばんおいしいところがあるので、晴れた朝はコーデュロイがきれいなうちにまっすぐ上へ。人が増えてきたら中腹の青コースへ下りましょう。ロープは厳格でオフピステもないので、降雪後のやわらかい雪は林ではなくコースの端やコブのラインにたまり、週末はすぐに滑られてしまいます。本当の秘密兵器はナイター。日中の客が帰ると気温が下がり、照明がつき、圧雪が締まって速くグリップの効くカービングの雪になり、リフト待ちもほぼ消えます。トップから麓まで約2.5km、標高差約500mの1本があるので、照明の下で数本回せば一日分の標高差になります。無料のテレインパークにはキッカー、レール、ボックスがあり、変化をつけたい人にも。
アクセス
車なら、東京から最も早く着ける大きなゲレンデのひとつ。関越道で水上ICまで行けばスキー場はICからすぐで、天気がよければ都内から約2時間です。スタッドレスタイヤは必須、吹雪ならチェーンもあると安心で、遅いナイターのあとの帰り道は特に。予約のポイントは冬のレンタカー&運転ガイドで。
電車なら上越新幹線で上毛高原まで行き、在来線かバスで水上駅へ、そこからタクシーでゲレンデへ。ナイターまで粘るなら終電の時間を確認しておきましょう。遅くまで滑ると、東京へ帰る乗り継ぎに間に合わないことがあります。
どんな人に向いている?
- 初めての人まずまず
- パウダー狙いいまひとつ
- 予算重視まずまず
- アフター・夜遊びいまひとつ
- アクセスのしやすさいまひとつ
奥利根をいちばん楽しめるのは、圧雪コースを速く滑るのが好きな中級者。家族連れはわずかな出費でたくさん得られます。小学生は毎日リフト無料、無料のキッズ用スノーエリア、駐車場もタダ。それだけでも小さな子ども連れにおすすめのスキー場に入れる理由になります。上級者には急な山頂エリアとコブがありますが、1〜2日で物足りなくなるはず。
ほかの予定の合間にスキーを押し込みたい人にも。東京から昼過ぎに着いて10時まで滑り、翌朝もまたゲレンデへ。旅にツリー、ゲート、サイドカントリーが必要なら、奥利根はナイターとカービングの補給所として使い、降雪日は谷川岳天神平か宝台樹で過ごしましょう。
グルメとアフタースキー
ゲレンデではベースのレストランがラーメン、カツカレー、丼ものといったおなじみのメニューを出していて、記憶に残るというより早くてお腹にたまるタイプ。営業時間が長いので食べ方も変わります。午前中に滑って、町で長めのランチや温泉休憩をとり、脚をリフレッシュしてナイターに戻ってくる人もたくさんいます。
夕食はみなかみの町のほうが充実。居酒屋、そば・うどん屋、群馬の郷土料理を出す店がいくつか、主に駅や温泉ホテルの近くに集まっています。アフタースキーは控えめで、まず浸かって、次に食べて、それからもう一度ナイターに行けるか脚と相談。何を頼むかはスキー場グルメガイドが参考になります。
Japow Travelのアドバイス
- 営業時間:日中は8:00〜16:00、ナイターはシーズンの大半で16:00〜22:00(オープン週と最終週を除く)。一部の繁忙日は6:00から深夜0時まで営業します。
- リフト券:1日券、5時間券、ナイター券は別売りで、1日+ナイターの通し券もあります。
- 子ども:小学生は毎日リフト無料、駐車場も無料です。
- バックカントリー:ゲートもオフピステもなし。ロープの内側で滑りましょう。
- 雪:群馬には日本海側の雪雲が定期的に来ますが、北海道ほどの量ではないので、降雪の合間は硬くよく圧雪された雪を想定しましょう。
- リフト券とレンタル:購入も手続きもシンプルでわかりやすいです。
組み合わせたい近隣スキー場
みなかみはゲレンデだらけ。いちばん近い大きな相棒は広いコースの宝台樹、ナイターならノルン水上ももうひとつの選択肢、谷を上った水上高原と藤原スキー場は静かな家族向け。新雪の日は川場スキー場や谷川岳まで足を延ばす価値あり。都内からの週末の選択肢は東京近郊のおすすめスキー場でどうぞ。
総評:長く営業、たくさんターン
奥利根は深いパウダーや隠れた林のためのゲレンデではありません。大事なのは雪の上にいる時間。本物の標高差、子どもは無料、朝食から寝る前まで動くリフトで、東京近郊でいちばん効率のいいスキーの一日になります。みなかみ旅の初日か最終日に入れて、人が帰ったら照明の下で滑り、リフトより先に脚が尽きることを受け入れましょう。
