
二つのゲレンデ、一枚のチケット
白樺湖は、何世代にもわたって家族連れが車で通ってきた場所です。ホテルに囲まれた湖、小さな遊園地、夏はスワンボート、そして冬には一枚のリフト券を共有する二つのスキー場。白樺2in1はそのコンビの大きくてにぎやかなほうで、茅野の上の高原、標高約1,565mから1,834mに、晴れ渡るワイドな圧雪バーンが広がっています。オープンは早く、クローズは遅く、青空の日はずるいくらい多めです。
ここで大事なのは雪面と空。長野でも寒く、標高が高く、乾いたエリアなので、コーデュロイはパリッとしたまま。八ヶ岳の峰々、その先のアルプスまで見渡す景色は、正直ちょっと見せびらかしすぎです。コースは13本、テレインパーク、タイムを計れるポールコースもあり、269mの標高差から想像するより変化に富んでいます。
弱点はその標高差。一本一本は短く、自然降雪は長野としては控えめで、パウダー遠征の候補になることはまずありません。週末は東京や名古屋からの日帰り客、おそろいのビブスを着たスクールの団体、そして小さな外科医のような集中力でボーゲンを練習するちびっ子たちでいっぱいになります。
問いはシンプル。2in1は長野の旅で一日使う価値があるのか、そして誰が行くべきか。家族連れ、レベルの違うグループ、カービング好きならイエス。パウダー一筋の人には、寒波の合間の晴れの日としてだけ。
スキー場データ
- 標高差269m(1834m → 1565m)
- 降雪量約6m
- コース比率 40% 40% 20%
- ツリーラン
- リフト券¥5,760
- リフトクワッド1基、ペア5基
- 混雑度
- コース外滑走不可
- ナイター
- 家族向け
- コース数13
- 滑走エリア約38ha
- 雰囲気晴天の高原クルージング
コースマップ
宿泊施設
地図で見る白樺湖はまさにこういう旅のための場所なので、湖畔に泊まるのがいちばん。池の平ホテルはスキー場と同じグループが運営する大型ファミリーリゾートで、温泉、ビュッフェ、ホワイトアウトの午後も救ってくれるほどの屋内アトラクションがあります。にぎやかで明るく、ロマンスより家族向け。白樺湖ビューホテルはもっと落ち着いた湖畔の選択肢で、たっぷりの朝食、温泉、ゲレンデまですぐという王道のリゾート旅館スタイルです。湖の周りにはペンションも点在。夕食つきで、オーナーはどのアプリより天気に詳しい、昔ながらの高原の宿です(ペンション泊のあれこれはペンション宿泊ガイドで)。
温泉の風情をしっかり味わうなら、蓼科側へ下りましょう。蓼科親湯温泉は静かで大人な旅館ステイ。いいお風呂とゆっくりした夕食が楽しめます。蓼科グランドホテル滝の湯はもっと大きくにぎやかで、施設が充実した頼れるファミリー向け温泉ホテル。どちらもゲレンデから景色のいいドライブの距離なので、車があることを前提に。
雰囲気より予算と動線を重視するなら、茅野か諏訪湖畔の上諏訪周辺に泊まりましょう。ビジネスホテルは安く、飲食店も遅くまで開いています。湖畔の朝は手放すことになりますが、居酒屋の選択肢が増え、高原までは通常1時間かかりません。
パウダーとコース
2in1はまずカービングのゲレンデとして考えましょう。エンジン役は高速クワッドで、上部のロングでワイドな圧雪バーンへと運んでくれます。斜度と広さのバランスがいちばんいいのはヒルトップとパッション。1.8kmのピクニックコースは最長コースで、のんびり下りのクルージングに。上級者にとって本当に面白いラインはキャニオン。短い非圧雪の上級コースで、新雪の後はここが主役になります。午前中のうちに荒れてしまうので、まず最初にここへ。レール、ボックス、キッカーがそろったテレインパークと、麓で申し込めるタイム計測つきのポールコースもあります。オフピステとツリーランは禁止で、ゲートシステムもないので、ここでのパウダーは朝イチのキャニオン、その後は圧雪バーンの柔らかいエッジです。
アクセス
電車なら、中央線の特急あずさで新宿から茅野まで2時間ちょっと。茅野駅から路線バスで東白樺湖まで約40分、そこから無料の循環シャトルが湖を回ってスキー場まで走っています。2in1と国際の1日券があればその日のシャトルバスも無料なので、車なしで湖畔のホテルに泊まるときに便利です。電車とバスの乗り継ぎについてはスキー旅行の交通ガイドをどうぞ。
車のほうが楽で、一度の旅で高原のスキー場をいくつも回りたいなら特におすすめ。都心からは中央道で約3時間、諏訪ICで降りて茅野経由で大門街道を上ります。佐久側からは蓼科の牧場を越える道で北から入れます。
スタッドレスタイヤは必須で、長野のレンタカーはシーズン中ならたいてい装着済み。新雪の中を走るならチェーンも携行を。高原は湖畔が穏やかに晴れていても山頂は強風ということがあり、晴れた夜の翌朝は登りの日陰のカーブがガチガチに凍るので、朝の最後の区間はゆっくりと。給油は登る前に茅野で済ませておきましょう。レンタカーと交通ルールは冬のレンタカーと雪道運転ガイドで解説しています。
どんな人に向いている?
- 初めての人良い
- パウダー狙いいまひとつ
- 予算重視良い
- アクセスのしやすさいまひとつ
いちばんの勝者は家族連れ。初心者ゲレンデは広くなだらかで、キッズパークにはいちばん小さな子向けのそり遊びも。レストラン リュミエールの2階にはキッズルームがあるので、ゲレンデを離れずに小さな人間たちを解凍できます。いちばんコスパがいいのは中級者。幅はたっぷり、朝の圧雪バーンはグリップが効き、同じコースを20回繰り返さずに充実した一日を組めるだけのコース数があります。
上級者は、キャニオン、パッション、パークを中心に楽しい午前を過ごし、昼には新しいネタが尽きるでしょう。そこで共通券の出番。無料シャトルバスで2in1と、ゴンドラのある白樺高原国際がつながっています。深雪、ツリーラン、サイドカントリーを軸に旅を計画しているなら、もっと北を見ましょう。2in1はそういう旅の脇役で、グループ内のパウダー派以外をハッピーにしてくれる晴れのリセットデイです。どこに組み込むか迷ったら、スキー場ファインダーで候補をサクッと確認できます。
グルメとアフタースキー
麓の拠点はレストラン リュミエール。1階にチケット売り場とレンタル、2階にはキッズパークに面してレストラン、ショップ、キッズルームがあります。クワッド横のコアハウス2in1は、滑走の合間にサッと済ませたいときに。メニューはカレーライス、ラーメン、カツ丼、ポテトといった王道のゲレンデ飯で、家族向けの価格でスピーディーに出てきます。料理目当てで来る人はいませんが、窓際の席でアルプスを眺めながらのカレーはなかなかの贅沢。もっとご当地感が欲しければ、国際側のレストラン ストリームで山賊焼きをどうぞ。
滑った後は、まず温泉、次に夕食、そして早寝。湖畔のホテルにはそれぞれお風呂とビュッフェがあり、ペンションもほとんどが夕食つきです。高原にバーシーンと呼べるものはありません。居酒屋でにぎやかな夜を過ごしたいなら茅野か上諏訪へ。家族経営の小さなお店と諏訪の酒蔵の地酒が待っていて、行く価値は十分。帰りの運転を誰かに任せられるなら、ですが。湯船に入る前に温泉マナーのおさらいもどうぞ。
Japow Travelのアドバイス
- 営業時間:メインシーズンは8:30〜16:30。シーズン初めは1コースのみで9:00〜15:00と短縮営業、3月下旬からの春スキーも短縮営業です。
- シーズン初めと終わり:二つのうち先にオープンするのは2in1で、通常11月下旬に人工雪でスタートし、国際が閉まった後も4月まで営業します。クリスマス前の旅には便利ですが、全面滑走ではなく一、二本のコースだけと思っておきましょう。
- チケット:1日券一枚で2in1と白樺高原国際の両方を滑れます。平日は週末より安く、オンライン購入でさらに少しお得です。
- バックカントリー:なし。コース外の滑走は禁止で、ゲートシステムもありません。
- 雪と天気:高原は日本海側よりずっと日照が多く、自然降雪はずっと少なめ。シーズン序盤は人工降雪が大仕事をこなします。寒い朝は最高の圧雪バーン、晴れた午後は雪面が緩みます。
- レッスン:スクールは家族連れや初心者向けが充実していて、券売機やリフト乗り場もわかりやすい作り。レッスン選びはスキーレッスンガイドも参考にどうぞ。
- ヘリポート:2in1には自前のヘリポートがあります。スキー場としては珍しく、ローカルゲレンデでヘリスキーにいちばん近づける場所かもしれません。
組み合わせたい近隣スキー場
隣の高原の車山高原は、もっと大きな眺めと長いクルージング。白樺高原国際は同じチケットで滑れ、ゴンドラと5kmの景色のいい林道コースが加わります。北へ少し走ればブランシュたかやま。標高差のあるカービングの一日に最適で、スノーボーダーにも開放された今は仲間全員で楽しめます。八千穂高原と富士見パノラマは少し遠いものの、気分転換にドライブする価値あり。富士見パノラマの長いゴンドラは、このエリアでいちばんビッグマウンテンに近い標高差です。
結論:晴天周回、家族の勝ち
白樺2in1でシュノーケルが必要な日は来ませんし、そのふりもしていません。ここにあるのは、明るく気楽で晴れたスキーの一日。パリッとした圧雪バーン、パーク、ダッシュする価値のある非圧雪コースが一本、そして麓にはホテルが並ぶ湖。共通券で国際と組み合わせ、子どもはそりパークへ、脚自慢は昼までキャニオンで脚を焼き尽くす。みんながハッピーになれる一日は、グループ旅行ではあと200mの標高差よりも価値があります。
