Olivia Hartのプロフィール写真
著者:Olivia Hart
更新日 初回公開日
7分で読めます

岩手高原

岩手山の下、ゴンドラ周回とナイター

岩手高原スノーパークのゲレンデを見上げる眺め
岩手高原のメイン画像
岩手高原
8.3

約8m

降雪量

1213m

標高

7

リフト

¥5,500

料金

スキー場の評価方法について詳しく
ひとり旅・カップルティーン連れの家族大人のグループ空いている

盛岡を見下ろすゴンドラ周回

岩手高原は、死んだままでいることを拒んだゲレンデです。90年代の終わりに岩手山がごろごろ言い始めると、スキー場は7シーズン丸ごと閉鎖。その後、新しい運営会社がリフトのほこりを払い、スノーパークとして復活させました。以来、火山はずっとお行儀よくしてくれています。ありがたい話です。なにしろここに来る理由もその火山なのですから。上りの道でフロントガラスいっぱいに広がる大きな白い円錐と、盛岡の街明かりの上に吊るされるような山頂ゴンドラ。

構成はシンプルで、これほど静かなゲレンデにしては意外と気前がいい。6人乗りゴンドラ1本で山頂まで一気に上がり、ペアリフト6基がサイドを埋め、10本のコースが標高差583mを駐車場まで下ります。最長は2.6kmのクルージングコース。リフトは夜まで動いてナイターも楽しめ、小学生以下は無料。親なら忘れない計算です。

難点は、ここがまず地元の遊び場だということ。ベースにスキービレッジはなく、コース外滑走はきっぱり禁止。平日は山を貸し切ってプライベートパーティーをしている気分になれますが、土曜の夜は照明の下に盛岡の家族連れや学校団体が集まります。

ゆったり滑れる長い圧雪バーン、寒い日の温かいゴンドラ、街へ帰る途中の安いナイター。そんなものが欲しいなら、岩手高原は期待に応えてくれます。このレビューでは、山の滑り心地、泊まる場所、岩手を巡る旅への組み込み方を紹介します。

スキー場データ

  • 標高差583m(1213m → 630m)
  • 降雪量
    約8m
  • コース比率 30% 50% 20%
  • ツリーラン
  • リフト券¥5,500
  • リフトゴンドラ1本、ペア6基
  • 混雑度
  • コース外滑走不可
  • ナイター
  • 家族向け
  • コース数10
  • 滑走エリア約100ha
  • 雰囲気気楽、圧雪バーン重視

コースマップ

宿泊施設

地図で見る

ゲレンデの麓に大きなホテルはないので、毎朝車で通うことになります。いい知らせは、近くの温泉街がすばらしいこと。しかもベースから街までは30分ほどです。

御所湖のほとりのつなぎ温泉がいちばん近い温泉街で、車で約25分。ホテル紫苑は大型でファミリー向け、浴場がいくつもあり、夕食は大きなビュッフェ。愛真館は露天風呂付きのより伝統的な旅館で、雰囲気も落ち着いています。どちらも朝食が早いので、8:30の始発リフトにも間に合います。

鶯宿温泉は少し西、約35分。もう少し上質な宿を求めるカップル向きです。ホテル森の風鶯宿はスタイリッシュな客室、すばらしい露天風呂、手の込んだ夕食がそろい、雫石スキー場にも行きやすい立地です。

食事、夜遊び、交通の便なら盛岡。駅周辺にビジネスホテルが集まり、新幹線にいちばん便利なのはホテルメトロポリタン盛岡。ゲレンデまでは車で約35分です。岩手高原を長旅の立ち寄り先にするなら、鉄道でのアクセスも楽になります。

山の宿なら、同じ火山の高い場所、約20分先に休暇村岩手網張温泉があります。シンプルで昔ながらですが、風呂はすばらしく、玄関からそのまま網張温泉を滑れます。

パウダーとコース

標高はベース630mからゴンドラ山頂駅1,213mまで。メインコースが下までほぼ斜度を保つので、数字以上に大きく感じる山です。コースの約半分が中級、約3分の1が初級、5分の1が上級。最大斜度は30度台半ばで、硬いバーンではライン取りを考えさせられる程度。コブ斜面もあり、上級者はクルージングの合間に叩き込めます。

大黒柱はゴンドラ。山の標高差を丸ごと上り、太いスキーや幅広のボードも載るラック付きで、寒くて風の強い日でも滑走の合間に約10分の温かい休憩ができます。強風で止まってもリフトだけで山全体をつなげますが、遅くなって耳が冷たくなるだけです。ペアリフト6基のうち1基は高速デタッチャブル、残りは昔ながらの固定式で、普通の平日ならどれも行列はできません。

雪は典型的な内陸東北で、冷たく乾いて保ちがいい。夜に20cm降れば、ほとんどの人が圧雪の真ん中を滑るので、メインコースの端は午前中ずっとやわらかいまま。ただ斜面はほぼ南、盛岡のほうを向いているので、晴れた日は下部が昼過ぎには緩み、夕方にかけてまた締まります。上部は朝のうちに、下部はランチのあとに。

パウダー狙いには忍耐が必要です。ゲートシステムはなく、ロープくぐりは許されません。降雪後にできるのは、頂上付近の風を避けた地形の膨らみやコース脇を探すこと。吹きだまった雪が積もり、意外なほど長くノートラックで残ります。視界が落ちたら、下部のコースは両側に林があって凹凸がわかるので、雲が晴れるまで下りてリフトを回しましょう。

ナイターはここならではの強み。一部のコースは夜まで照明がつき、金・土・祝日はさらに遅くまで営業。安いナイター券は、日中ほかで滑った日の追加にぴったりです。日が落ちるとすぐに締まるので、照明の下はやわらかい雪ではなく、速くパリッとしたコーデュロイを期待しましょう。

岩手高原の雪予報

アクセス

東京から東北新幹線で盛岡まで2時間ちょっと。そこから岩手山へ向かって市の北西へ車で約35分で岩手高原です。最寄り空港はいわて花巻空港で、車で約1時間。

公共交通機関は限られているので、レンタカーがあるとぐっと楽。ほかのスキー場と組み合わせたり、つなぎ温泉に泊まったりするならなおさらです。スタッドレスタイヤは必須。ベースまでの最後の上りは風をまともに受けるので、強風時は吹きだまりと視界不良を覚悟して。予約のポイントや凍結路の走り方は冬のレンタカー&運転ガイドにまとめています。

どんな人に向いている?

  • 初めての人良い
  • パウダー狙いまずまず
  • 滑らない人いまひとつ
  • 予算重視まずまず
  • アクセスのしやすさいまひとつ

岩手高原は、長く安定した圧雪バーンが好きな脚のある中級者と、子どものリフト券が無料の落ち着いた山を求める家族連れにぴったりです。ゴンドラならレベルの違うグループも一緒に上がって山頂で分かれられ、ベース近くの初心者ゲレンデは初めての人をスピードの速い滑走者から遠ざけてくれます。全国の家族向けスキー場を比べているなら、小さな子ども連れにおすすめのスキー場が参考になります。

パウダーハンターやツリーラン好きには物足りません。ゲートはなく境界も厳しいので、岩手高原は圧雪の日、ナイター、大荒れの日の避難先として使い、深い雪は下倉スキー場や安比高原で追いかけましょう。パークライダーには、目玉というより控えめなスノーパークがある程度。にぎやかなベースの町やゲレンデ前のホテルが必要なら、ほかに泊まって日帰りで来ましょう。

グルメとアフタースキー

ランチはベースセンターで、ラーメン、カレーライス、カツ、牛丼、唐揚げといったゲレンデ飯の定番。値段は良心的で量もたっぷり、すぐにゴンドラへ戻れます。記憶に残るというより実用的なので、たいていの人は山の上より夕食でしっかり食べます。

アフタースキーは控えめ。ベースで一杯やるか、温泉へ直行です。つなぎ温泉や鶯宿温泉に泊まるなら夕食も楽しみのひとつで、地元の牛肉、川魚、旬の野菜がたっぷりの会席やビュッフェが待っています。盛岡ならわんこそば、じゃじゃ麺、名物の冷麺を味わい、元気が残っていればはしご酒で締めましょう。ナイターの夜なら、照明の下で最後の1本を滑ったあとの熱い風呂こそ最高のアフタースキーです。

Japow Travelのアドバイス

出かける前のちょっとした実用メモです。

シーズンと営業時間

シーズンは例年12月中旬から3月末まで。日中のリフトは8:30〜17:00、ナイターは21:00まで、金・土・祝日はさらに遅くまで営業します。小学生以下のリフト券は無料です。

雪と天気

1月と2月は冷たく乾いた雪。強風でゴンドラが止まることはありますが、リフトはたいてい動いています。シーズン終盤は、晴れた午後に下部がすぐ緩みます。

ルールと安全

境界は閉鎖されていて、パトロールが目を光らせています。岩手山の広い斜面を滑りたいなら、スキー場からロープをくぐるのではなく、ちゃんとした登山口からガイド、雪崩装備、しっかりした計画とともに。

近隣スキー場

近くの雫石スキー場は長く急な圧雪コース、同じ山の高い場所にある網張温泉はより自然な地形が魅力。北の安比高原は規模もバリエーションも上で、ツリーランなら下倉スキー場や八幡平リゾートがおすすめです。県境を越えた秋田のたざわ湖スキー場では湖の眺めも。北東北ドライブ周遊ルートでそれらをつなげます。

総評:火山の静かな夜勤

岩手高原がパウダーランキングの頂点に立つことはありませんし、その必要もありません。山頂までのゴンドラ、長く素直な圧雪コース、子どもは無料、眠れる火山の下でのナイター、しかも行列はほぼなし。大雪を追いかける合間ののんびりした一日や、盛岡へ帰る途中のおまけのナイターに使えば、どんな岩手の旅程にもしっかり居場所を作ってくれます。