Olivia Hartのプロフィール写真
著者:Olivia Hart
更新日 初回公開日
8分で読めます

八幡平リゾート

2つの山、1枚のパウダーチケット

八幡平リゾートから見た谷の眺め
八幡平リゾートのメイン画像
八幡平リゾート
8.7

約9m

降雪量

1130m

標高

7

リフト

¥6,000

料金

スキー場の評価方法について詳しく
ひとり旅・カップルティーン連れの家族大人のグループ上級者ツリーラン

二つのゲレンデ、一枚のチケット

八幡平リゾートは、1枚のリフト券と無料バスを共有する2つのスキー場で、これほど似ていない組み合わせもなかなかありません。パノラマはやさしいほう。岩手山の大きな山容の下に広く寛容な斜面が広がり、ブーツのまま出られるホテルと、ちびっ子向けのスノーエスカレーター付き初心者パークがあります。道を10分下った下倉は評判のほう。急なライン、深い雪、そしてロープで囲まれた6つのツリーゾーンがあり、地元の人はお気に入りの温泉と同じくらい大事に守っています。

難点は、2つがコースでつながっていないこと。片方を滑ったら、シャトルでもう片方へ移動します。降雪日にはこれが逃げ道になります。子どもをパノラマ側のスキースクールに預け、バスで下倉へ渡り、昼に迎えに戻る。にやけ顔で、襟元までびしょ濡れで。

東北の有名スキー場より安く、両エリア共通の1日券は約¥6,000。平日は本当にガラガラです。週末は盛岡の家族連れとパウダー常連組がやってきますが、正直「行列」と呼べるほどのものはありません。

このレビューはリゾートを2つに分けて紹介します。実際そうやって滑ることになるからです。どちらから始めるか、ツリーゾーンの仕組み、どこに泊まるか、岩手のドライブ旅への組み込み方まで。

スキー場データ

0m1m2m3m4m5m
10月
11月
12月
1月
2月
3月
4月
5月

主要スキー場の推定累計降雪量です。実際の数値はスキー場、標高、観測地点、シーズンによって大きく異なります。

  • 標高差550m(1130m → 540m)
  • 降雪量
    約9m
  • コース比率 30% 45% 25%
  • ツリーラン
  • リフト券¥6,000
  • リフトクワッド1基、トリプル1基、ペア5基
  • 混雑度
  • コース外滑走指定ゲートから可
  • ナイター
  • 家族向け
  • コース数14
  • 滑走エリア約220ha
  • 雰囲気のんびり、雪が主役

コースマップ

宿泊施設

地図で見る

いちばんシンプルなのは、パノラマのゲレンデにある八幡平マウンテンホテル。センタークワッドまで歩いて行けて、一日の終わりには温泉が待っていて、宿泊者はフロントでリフト券の割引も受けられます。ブティックホテルではなく、快適で少し昔ながらのリゾートホテルで、夜は静か。パウダーの朝は無料シャトルで下倉へひとっ飛びです。

もっと味わいのある宿なら、車ですぐの松川温泉へ。松楓荘や峡雲荘といった古い木造の宿が湯けむりの立つ渓流沿いに建ち、白濁した硫黄泉、畳の部屋、品数の多い夕食が待っています。山奥で、道は慎重に運転すべきで、玄関脇の雪の壁は背丈より高いこともあります。少し下った八幡平温泉郷の宿は行きやすく、もう少しモダンです。

飲食店や居酒屋を楽しみたいなら盛岡に泊まりましょう。新幹線で着くなら駅直結のホテルメトロポリタン盛岡が実用的で、市内にはビジネスホテルも豊富です。その代わり車で片道約1時間、路線バスなら約90分かかるので、朝イチのリフトに乗るには早起きが必要です。八幡平の宿泊ガイドで選択肢を詳しく比べています。

パウダーとコース

主役は雪です。八幡平は岩手山の北に広がる内陸の火山高原で、日本海から十分離れているため、雪雲は乾いた冷たい状態で届きます。新雪は降ってから1〜2日は軽いままのことが多く、下倉の北向き斜面はパノラマ側のどこよりも長くそれを保ちます。

パノラマは標高約1,000mから540mまで、センタークワッドとペアリフト3基でカバーしています。初心者と初中級者向けのゲレンデで、それは悪口ではありません。いちばん急な圧雪コースでも14度をわずかに超える程度で、コースは広く長く、初心者パークとキッズ用スノーエリアはホテル横のベースにあります。滑れる人は岩手山の眺めを楽しみに1〜2本足慣らしをしたら、飽きてくるはず。深雪の日にここで粘る理由はあまりありません。

標高差があるのは下倉。山頂約1,130m、ベース580m、その差550mはこのリゾートで最大です。トリプル1基とペア2基で7コースをカバーし、その中に「シルキー」と「シルキーパウダー」というコースがあるあたりで、何を大事にしているかがわかります。圧雪コースはパノラマより急で斜面も長く続き、リフトで回れる範囲がうまくつながっているので、同じラインを二度滑らずに一日回し続けられます。

本当の目玉はツリーランエリア。下倉にはFUN、FUN+、CRUISE、CASCADE、EDGE、DROPという6つの指定ゾーンがあり、初めての人向けのゆるく木の間隔が広い林から、最大約37度の急斜面までそろっています。EDGEは日当たりが少ないので、降雪後に冷たい雪がいちばん長く残ります。DROPは急で深い本命。ゾーンはパトロールがパウダー向きと判断した日の9:30〜15:00にオープンし、それぞれの外周はピンクのテープで示されています。入る前にセンターロッジ(パウダーステーション)での登録が必要で、ヘルメット着用が求められ、ゾーンからはみ出すとリフト券没収もありえます。

降雪日の作戦はシンプル。ゾーンのオープンに合わせて下倉にいて、パトロールが急なゾーンを確認している間にゆるいエリアから攻め、圧雪コースは光がフラットになったときのために取っておきます。視界が悪くても林の中なら凹凸がわかり、雪もどんどん積もります。混雑はまず問題になりません。土曜でもノートラックのポケットが昼過ぎまで残ることがあり、トリプルの列は全国的に見ても短いものです。

コース外は話が別です。スキー場はそのエリアを管理しておらず、救助は有料。外に出るなら地元ガイドの同行を強く勧めています。エリアには2つのガイド会社があり、スノーボード中心のパウダーツアーから、近くの中倉山へのゆるいスキーハイクまで催行しています。テープの外へ行くなら、まず日本のバックカントリー&サイドカントリーガイドを読み、高原のウインドスラブやツリーホールを知っている人と一緒に行きましょう。

八幡平リゾートの雪予報

アクセス

車:東北自動車道の松尾八幡平ICからパノラマまで約15分、盛岡からは約1時間。レンタカーがいちばん楽で、安比高原や雫石スキー場も組み合わせるならなおさらです。スタッドレスタイヤは必須、本格的な吹雪ならチェーンもあると安心。下倉へ上る道は横風で吹きだまりができることがあります。基本は冬のレンタカー&運転ガイドにまとめています。

電車とバス:東北新幹線で東京から盛岡まで2時間ちょっと、そこから岩手県北バスで約90分でスキー場に着きます。行けますが、一日の予定は時刻表次第です。

飛行機:いわて花巻空港には札幌、大阪、福岡、名古屋から便があります。空港から盛岡駅までバスで約45分、あとは同じ路線バスで。

現地では、パノラマと下倉を結ぶ無料シャトルが日中ほぼ1時間に1本、所要10分で走っています。車を反対側に置いてきたなら、帰りの最終便を確認しておきましょう。

どんな人に向いている?

  • 初めての人良い
  • パウダー狙い良い
  • 滑らない人いまひとつ
  • 予算重視まずまず
  • アクセスのしやすさいまひとつ
  • パウダーハンター:下倉のツリーゾーンこそ来る理由。パトロール付きの指定ゾーンが6つあり、平日はライバルも少なめです。
  • 家族連れと初心者:パノラマは上から下までやさしく、スキーインできるホテル、初心者パーク、しっかり節約できる親子券があります。
  • レベルの違うグループ:共通リフト券と無料シャトルがあるので、初心者とパウダー狙いが午前中は別行動し、昼に合流できます。
  • 急斜面&深雪至上主義者:コース内の手応えは2〜3日で尽きてしまいます。1週間の拠点ではなく、東北を巡る旅の立ち寄り先として考えましょう。

グルメとアフタースキー

パノラマ側のランチは、初心者パーク横の大きくて家庭的なベースレストランせきれいで。カレーライス、ラーメン、丼ものがそろい、席数は約200。朝から開いているカフェ窓口もあり、レッスンを屋内から見守るときに便利です。下倉側にもベースにレストランがあります。こちらはもっとシンプルで、パウダーの日はすぐ埋まります。誰もシャトルで時間を無駄にしたくないので。

アフタースキーは短め、そして湯船が中心。ほとんどの人はホテルの温泉か松川の宿で一日を締め、泊まっている宿で夕食をとります。盛岡泊なら三大麺は外せません。降参するまで続くわんこそば、じゃじゃ麺、そしてコシの強い冷麺。雪国の飲み歩きは雪国の居酒屋ガイドもどうぞ。

Japow Travelのアドバイス

営業時間:両エリアとも8:40〜16:00、例年12月中旬から3月第3週ごろまで。ツリーゾーンは9:30〜15:00と短く、パトロールがコンディションよしと判断した日だけオープンします。

ツリーゾーンのルール

ツリーランエリアに入る前に下倉のセンターロッジで登録し、入口の看板でローカルルールを読み、ピンクのテープの内側にとどまりましょう。ヘルメット着用が求められます。ゾーンからのはみ出しには厳しく対応されます。

雪と天気

高原は本州としては寒く乾燥しています。少量の降雪でのリフレッシュは日常茶飯事で、北向き斜面は雪をよく保ち、尾根は風で削られる一方、風下側にはチョークのようなやわらかいウインドバフがたまります。吹雪では視界がすぐにフラットになるので、そんなときは林の中へ。

チケット

1枚のリフト券で両エリアを滑れます。2日券やWeb前売りでさらにお得になり、親子券や祖父母と孫のセット券があるので、パノラマは家族連れには非常にコスパ良好。毎月第3日曜日は子どもがかなり安く滑れます。

組み合わせたい近隣スキー場

相棒の筆頭は北へ約40分の安比高原で、標高差もずっと大きく、圧雪も上質です。雫石スキー場は岩手山の南でロングコースを楽しめ、県境を越えた西には秋田八幡平スキー場とたざわ湖スキー場があります。北東北・嵐追いループなら、それらをつないだドライブ旅になります。

総評:二つの顔を持つパウダースポット

八幡平リゾートがうまくいっているのは、2つの半分が互いを補い合っているから。パノラマはゲレンデにホテルがあるやさしいファミリーゲレンデ、下倉は寒くて急で、6つの指定ツリーゾーンがある林だらけの側。その間のシャトルは、曇った窓と濡れたグローブの10分間です。雪は乾いていて、人は少なく、リフト券も良心的。東北ドライブ旅で2日あげてください。1日目はツリーゾーンを覚えるため、もう1日は大雪の翌朝、深くなったところへ戻ってくるために。