
会津の奥の、昔ながらのフォールライン
北日光高畑は何十年もスキーヤー専用ゲレンデで、つい最近入場ルールを変えたクラブのような空気が今も残っています。スノーボーダーも数シーズン前から入れるようになりましたが、駐車場の常連はほとんどがレーシングスーツ姿のスキーヤーで、エッジを研ぎ、ワックスの話をしていて、ゲレンデ全体が今もひとつのことのために作られている感じ。長くきれいなフォールラインを、度胸の許す限り速くカービングすることです。
福島県南部、南会津の谷のいちばん奥にあり、東京から午後のうちに着ける範囲で、本州でも大都市からいちばん遠い場所のひとつ。内陸にあるので沿岸のゲレンデより寒く、2日前に降った雪がまだチョークのように滑れることもしばしば。ペアリフト4基で10コース、標高差520m、看板はオレンジとブラックをつなぐトップから麓までの3.5kmのロングラン。ゴンドラも町もなく、平日のリフト待ちは短すぎて、祝日を見落としたかと思うほどです。
難点は、高畑が圧雪のゲレンデだということ。約80%が圧雪で、探検できる林もゲートもなく、リフトは遅い固定式のペア。1月中旬以降は平日に全休する日もあるので、予定を立てる前にカレンダーを確認しましょう。
このレビューでは、高畑が本当に向いている人、雪と地形、バスを長く待たずに行く方法、会津の静かなゲレンデを巡る旅への組み込み方を紹介します。
スキー場データ
- 標高差520m(1240m → 720m)
- 降雪量約8m
- コース比率 20% 50% 30%
- ツリーラン
- リフト券¥5,300
- リフトペアリフト4基
- 混雑度
- コース外滑走不可
- ナイター
- 家族向け
- コース数10
- 滑走エリア約60ha
- 雰囲気会津の生粋の地元勢、急斜面の圧雪文化
コースマップ
宿泊施設
地図で見るベースに町はないので、どこに泊まるかは旅のほかの予定次第。いちばん近いのは谷を少し下った会津高原たかつえ周辺のペンションや小さなロッジ群で、冬の週末は大学のスキー部や家族連れで埋まります。部屋は小さく、夕食はみんなでたっぷり、朝食は始発リフトに間に合う早さ。どんな宿かはペンションガイドで紹介しています。
温泉なら、旧舘岩村エリアに会津でも指折りの風情ある湯があります。湯ノ花温泉には川沿いに小さな共同浴場がいくつかあり、木賊温泉には現代の日本から遠く離れたような素朴な河原の湯。どちらかの民宿を予約すれば、山菜、川魚、そしてしっかりした湯が、都会のビジネスホテル並みの値段で手に入ります。
歩いて行ける範囲にコンビニや自販機が欲しいなら、いちばん近いちゃんとした町は約1時間の会津田島で、Daiwa Link Hotel Aizu Tajimaなどのビジネスホテルがあります。だいくら、会津高原南郷、高畑を回る拠点にはなりますが、始発リフトに素早く乗るには向きません。
パウダーとコース
ゲレンデはリフトの名前がついた4つのゾーンに分かれます。中心はブルーで、4コースのうちブルーセンターは脚が一気に目覚める32°の短い斜面。オレンジは山頂から長くゆるやかなクルージング、レッドはレッスンやさっと周回するための短いリフトです。おいしいのはブラックゾーン。スーパーブラックは34°でゲレンデ最急、ブラックコース全体がオレンジとつながって3.5kmのロングランになり、これこそがここに来る理由です。降雪後は山の1割ほどの非圧雪エリアとコブのレーンにやわらかい雪がいちばん長く残り、人が少ないので午後までやわらかいまま。パトロールはロープに厳しく、サイドカントリーもなく、すり抜け方を教えてくれる人もいません。高畑はターンを磨く場所で、林でパウダーを探す場所ではありません。
アクセス
車は本当に必要です。東京からは東北道で西那須野塩原ICまで行き、国道を北へ山を越えて南会津へ、条件がよければ約4時間。最後の区間は狭い谷を上り、暗くなると凍結し、吹雪では地吹雪が舞うので、スタッドレスタイヤは必須、チェーンも積んでおく価値あり。キーを受け取る前に冬のレンタカー&運転ガイドを読んでおきましょう。
電車なら、東武の特急リバティが浅草・北千住から会津のこの一角の鉄道の玄関口、会津高原尾瀬口駅へ走っています。そこからのシーズン限定スキーバスは高畑ではなくたかつえ行きなので、最後はタクシーを予定しましょう。電車の旅ならたかつえやだいくらのほうが行きやすく、高畑は車があるか、車を持つ友達がいれば日帰りで行ける場所になります。
どんな人に向いている?
- 初めての人いまひとつ
- パウダー狙いまずまず
- 予算重視まずまず
高畑は、圧雪コースが大好きな脚のある中級者と上級者のためのゲレンデ。元レーサー、スキー部員、そしてエッジの角度を磨くために同じロングランを15回でも喜んで回す人。静かなゲレンデと一定の斜度は、上達中の中級者のステップアップにもぴったりで、中級者におすすめのスキー場に似た雰囲気のゲレンデがまだあります。
ツリーハンター、パークライダー、ナイトライフを期待する人には向きません。スノーボーダーも歓迎されるようになりましたが、オレンジの平らなトラバースとスキーヤー中心の文化のため、ボードだけのグループには自然な選択とは言えません。小さな子ども連れの家族なら、会津高原だいくらや会津高原たかつえのほうがベースの設備が充実しています。
グルメとアフタースキー
山の上のレストランはセンターハウスの「コンドル」だけですが、しっかり仕事をしてくれます。頼むべきは会津の看板料理ソースカツ丼。凍える日なら煮干しラーメンもいい選択です。ごはんは地元の会津米で、大盛りは無料。腹ペコのスキーヤーにはありがたい話です。
ゲレンデの外の選択肢は少なめ。ペンションや民宿が夕食を作るので、たいていの夜はバーではなく宿の食卓で終わります。飲食店めぐりは会津田島か会津若松の夜に取っておきましょう。そば屋やこづゆに出会えます。ここでのアフタースキーは川沿いの温泉と缶ビール。ナイトライフと呼べるものはありません。
Japow Travelのアドバイス
- 営業時間:8:30〜16:00、ナイターはありません。
- 休業日:1月中旬から水曜・木曜が休業になったこともあります。平日に車で向かう前に公式カレンダーを確認しましょう。
- リフト券:大人1日券は¥5,300。エリアの小さな宿や一部の飲食店ではカードが使えないので現金を。
- スノーボード:何十年もスキーヤー専用でしたが、数シーズン前から全コースで歓迎されています。
- レース文化:高畑では定期的にスキーレースや技術系のイベントが開かれ、イベントの日は一部のコースがトレーニングで閉鎖されることもあります。
- バックカントリー:ゲートも公認のオフピステもありません。ロープをくぐるとリフト券を失うことも。
- 組み合わせるなら:いちばん近いお隣で組み合わせやすいのは会津高原たかつえ。会津高原だいくらと会津高原南郷も楽に行ける距離です。深い雪と林が欲しいなら、グランデコスノーリゾートやネコママウンテンなど磐梯のゲレンデが北へ長めのドライブ。空いているおすすめスキー場のガイドに、リストに加えたい静かなゲレンデがまだあります。
総評:カービング好きの隠れ家
北日光高畑は時代を逆行したようなゲレンデで、だからこそ車を走らせる価値があります。ゴンドラも町も人混みもなく、あるのはペアリフト4基、トップから麓までの3.5km、そして降雪後も長くコーデュロイをパリッと保つ冷たい内陸の雪だけ。ガラガラの圧雪コースで長いターンを刻むのが好きなら、福島でも指折りの満たされる一日になります。林やナイトライフ、駅からのすぐのバスが必要なら、大きなお隣と組み合わせて、高畑は旅の技術練習の日にしましょう。
