
野沢温泉の静かなお隣さん、リニューアルしたて
戸狩温泉は千曲川を挟んで野沢温泉の向かいにあり、リフトから有名なお隣さんのゲレンデが見えるほど近く、それでいて野沢温泉の人混みがほとんどわざわざやってこないほどには遠い場所です。北信の寒波の通り道は同じで、必要がないので人工雪はまったく作らず、パウダーの朝のリフトの列は、あなたと学校の団体と、屋根の雪下ろしを早めに終えた農家さんだけ、なんてことも。
このゲレンデは大きく生まれ変わりました。大規模なリニューアルでEarth Dragon FieldとSky Dragon Fieldの二つのエリアに再編され、リフト4基、コースも一新、日本最長をうたうコブコース、そしてベースには新しい食事処。リフトが減ったぶん無駄な広がりもなくなり、ドラゴンのテーマはカラオケの看板並みに控えめとは言えませんが、雪とのんびりした村は昔のままです。
弱点は、ゴンドラのない中規模のゲレンデで、野沢温泉のリフト網とは比べものにならないこと。リフト券は雪のわりにお得で、家族連れには緩やかな地形がたっぷり、温泉はたいていの宿から歩いてすぐです。
このレビューで、戸狩温泉が野沢温泉の旅の一日をもらう価値があるか、それとも安くて雪たっぷりの一週間を丸ごと過ごす価値があるかを判断してください。
スキー場データ
主要スキー場の推定累計降雪量です。実際の数値はスキー場、標高、観測地点、シーズンによって大きく異なります。
- 標高差620m(970m → 350m)
- 降雪量約10m
- コース比率 35% 45% 20%
- ツリーラン
- リフト券¥5,800
- リフトリフト4基
- 混雑度
- コース外滑走指定ツリーゾーンは可
- ナイター
- 家族向け
- コース数16
- 滑走エリア約140ha
- 雰囲気控えめ、パウダーになりやすい、地元の魅力
コースマップ
宿泊施設
地図で見るいちばん便利な拠点は戸狩温泉の村。下部のゲレンデ沿いに民宿やペンションが点在し、多くはリフトまで歩けるか送迎があります。畳に布団、たっぷりの定食の夕食、共同のお風呂、そして何十年も修学旅行のスキー教室を迎えてきたオーナーが待っています。民宿ステイのあれこれは民宿ガイドでどうぞ。小さな子どもと一緒でもっと楽な宿がよければ、スキー場のファミリー向けの部屋があるHoshi no Yadoがよりモダンな選択肢です。
飲食店、バー、にぎやかな夜の温泉街が欲しいなら、川の向かいの野沢温泉が当然の代替案で、戸狩温泉まで車かタクシーで約15〜20分。ほとんどの日は野沢温泉で滑り、静かなパウダーの日に戸狩温泉を使いたいグループに向いています。野沢温泉の宿は1月と2月がすぐ埋まるので、年の中ごろから探し始めましょう。選択肢は野沢温泉の宿選びガイドで紹介しています。
あちこち移動するなら飯山が実用的な選択。新幹線の駅、ビジネスホテル、コンビニがあり、戸狩温泉へはシャトルバスで約25分。スキータウンではなく夜はとても静かですが、天気次第で戸狩温泉、野沢温泉、斑尾高原を日替わりで滑る拠点として機能します。
パウダーとコース
主役は雪。戸狩温泉は野沢温泉や斑尾高原と同じ日本海側の豪雪地帯にあり、人工降雪機は一切なしの100%天然雪で営業しています。厳冬期の寒波は夜のうちに定期的に雪を補充し、たいていブーツから膝まで、1月と2月は雪が軽いまま。標高は高くないので、暖かい時期やシーズン終盤は下部にクラストが残ることもあり、春の雪は午後にすぐ重くなります。
地形は二つのエリアに分かれます。まずはEarth Dragon Fieldから。穏やかな初心者コースと、Tail Lineのようなロングで気楽なクルージングコース、さらに膝を試したい人のためのSAJ公認コブコースSpike Lineがあります。Sky Dragon Fieldは斜度があり、いちばんいいパウダーコースもこちら。Backboneは約1.4kmの山いちばんのロングコースで、ウォームアップや圧雪の朝のカービングにぴったりのなだらかな中級クルーザー。Cloud Lineは約800mで一定の斜度が続く、より面白い中級コースです。
上級者が知っておくべきコースはWing Line。約750mの非圧雪の上級コースで、寒波の後はパウダーのまま残されます。Claw Lineは約34度で山いちばんの急斜面ですが長さは数百メートルだけ、Dragon Headも短く急で、柔らかい雪をよく保つ斜面。どれも長くはありませんが、寒波の日は山のほとんどがまだ圧雪バーンを滑っている間に何度でも周回できます。
ツリーランは指定エリアで自己責任なら可能で、スキー場はヘルメットとプロテクターを推奨しています。林はおおむね間隔が広く中級のツリー滑走者向きですが、大雪の後や積雪が薄いときはパトロールが閉鎖するので、入る前にチケット売り場で状況を確認を。ゲート網はなく、ロープの外は急で沢だらけのパトロールなしの地形。ロープをくぐればリフト券を失うこともあります。
いい寒波の日の作戦は、Sky Dragon FieldでWing Lineのファーストトラックから始め、パトロールの確認が済んだら開けたツリーエリアへ、上部のリフトが風の影響を受けたらEarth Dragonの下部へ戻ること。混雑が問題になるのは、飯山や長野市の家族連れが初心者ゲレンデを埋める週末と年末年始くらい。サイドカントリーやバックカントリーをするなら別の日にガイドつきで、まずは日本のバックカントリー&サイドカントリーを安全に楽しむガイドを読んでおきましょう。
アクセス
東京から北陸新幹線で飯山駅へ(約1時間40分)、そこからシャトルバスでスキー場まで約25分。またはJR飯山線で戸狩野沢温泉駅へ行けば、ゲレンデまでタクシーで約5分です。ピークシーズン以外は本数が限られるので、出発前にシャトルの時刻を確認しましょう。
車なら上信越道の豊田飯山ICから川沿いの谷を約25分。スタッドレスタイヤは必須、大雪ならチェーンもあると安心です。村の近くの道は細く雪の壁が高いので、時間に余裕を持ち、除雪車には十分に道を譲りましょう。基本は冬のレンタカーと雪道運転ガイドで解説しています。
どんな人に向いている?
- 初めての人良い
- パウダー狙い良い
- 滑らない人まずまず
- 予算重視良い
- アクセスのしやすさまずまず
戸狩温泉は、有名どころの値段と混雑なしに北信の雪を楽しみたいスキーヤーのための場所。初心者にはEarth Dragon Fieldの広くなだらかなゲレンデ、中級者にはロングなクルージングコースといくつかのツリーエリア、コブ好きには国内屈指のコブコース。上級者は寒波の日のWing Lineや急な斜面を楽しめますが、二、三日で地形が尽きるので、川向こうの野沢温泉と旅を分けるつもりで。大きな標高差、ゴンドラ、ナイトライフが欲しいならここではありません。いい温泉つきの、安くて雪たっぷりの気取らない拠点が欲しいなら、有力な選択肢です。
グルメとアフタースキー
リニューアルで、このゲレンデの食事はここ数年でいちばんのアップグレードを遂げました。おなじみのカツカレー、ラーメン、カレーライスに加え、ベースには東京の有名焼肉店焼肉ジャンボの支店と、原宿発のつけ麺店が入り、どちらも普通のゲレンデ飯より一段上。麓の村には家族経営の小さな店が中心で、地元の野菜や川魚を出す居酒屋、そば屋、バーが数軒。アフタースキーはたいてい温泉に浸かってから宿で夕食、起きていられれば小さなバーでハイボールを一杯。本格的に夜遊びしたいなら野沢温泉へ。
Japow Travelのアドバイス
- 営業時間:おおむね8:30〜16:30、土日祝は8:00スタート。ナイターは一部の夜、主に土曜日と年末年始に18:00〜20:00。
- ツリーエリア:指定エリアで自己責任なら可能。ヘルメットを着用し、仲間と一緒に滑り、寒波の後の閉鎖は守りましょう。ロープの外はパトロールなしで立ち入り禁止です。
- 雪:すべて天然雪で人工降雪なし。シーズン序盤の積雪は最初の寒波次第なので、ベストは1月と2月。3月は暖かい日が増え雪も重くなります。
- 支払い:村の小さな飲食店用に現金を持っておきましょう。
- 温泉:村の温泉も魅力のひとつ。湯船に入る前にかけ湯を。基本は温泉マナーガイドで。
組み合わせたい近隣スキー場
川の向かいの野沢温泉には、ずっと広い地形、急なコース、にぎやかな温泉街があります。約40分の斑尾高原は最高のツリーランで有名。寒波の日は天気と混雑を見てどちらにするか決めましょう。
結論:豪雪地帯のいちばんのお買い得
戸狩温泉がスキー旅行のメインイベントになることはないでしょうし、それこそが魅力。野沢温泉と同じ寒波のサイクル、すべて天然の雪、楽しい非圧雪のパウダーコース、世界レベルのコブコース、ベースのおいしい食事が、ほんの一部の値段と人混みで手に入ります。地形は数日で尽きるので有名なお隣さんと組み合わせましょう。でも、一日の終わりにいい温泉が待っている、安くて雪たっぷりの気取らないスキーの一週間なら、戸狩温泉はなかなか手ごわい存在です。
