
白樺の中を滑る
平庭高原は、とても大きな白樺林の中の小さなゲレンデ。葛巻の東の高原は白樺に覆われ、地元によれば日本一の規模で、コースはそのど真ん中を切り開いています。快晴の朝には、白い紙に鉛筆で森を描いたような景色。白い幹、白い雪、東の遠くには太平洋がきらめき、西のスカイラインには岩手山が一つだけそびえています。
そしてゲレンデのサイズを見て、期待を調整しましょう。平庭にはリフト3基、短い10コース、標高差約210m。久慈や周辺の町の家族連れのためのゲレンデで、平日はリフト係のほうがお客さんより多いことも。岩手のこちら側には日本海側の寒波がほんの少ししか届かないので、雪は冷たいものの東北としては薄く、シーズンは遅く始まり早く終わることもあります。
その代わりに手に入るのは、国内の小さなゲレンデでも指折りの景色の中で過ごす、穏やかで安い一日。ここからは、気に入る人、コースの滑り心地、そして岩手北部の旅への組み込み方を紹介します。
スキー場データ
- 標高差210m(910m → 700m)
- 降雪量約4m
- コース比率 50% 30% 20%
- ツリーラン
- リフト券¥2,750
- リフトペア3基
- 混雑度
- コース外滑走不可
- ナイター
- 家族向け
- コース数10
- 滑走エリア約35ha
- 雰囲気静か、白樺並木、ご近所づきあい
コースマップ
宿泊施設
地図で見る高原で唯一の宿は、スキー場と同じ会社が運営する平庭山荘。本館の客室に加え、家族やグループに向いた木造コテージ群白樺の村があります。レストランやまぼうしと温泉白樺の湯も。夕食・朝食に1日券がついたプランもあり、平庭を楽しむいちばん手軽な方法です。夜は暗く、静かで、星がいっぱい。
もっと選択肢が欲しいなら、海沿いの久慈まで車で約40分。久慈第一ホテルや久慈グランドホテルといったシンプルなビジネスホテルは、駐車が楽で朝食も早い実用的な拠点。久慈なら、高原では味わえない海と海の幸もついてきます。
さらに遠くの盛岡はホテルも飲食店もいちばん多いですが、車で2時間近くかかるので、平庭が長い旅の一日だけなら意味がある程度。旅館や温泉ステイについては旅館ガイドをどうぞ。
パウダーとコース
平庭は山頂約910mからベース700mまで、10コースのどれも約900mより長くはありません。初心者には広いセントラルゲレンデと、100mのパイプで始まりなだらかな練習エリアで終わるハーフパイプコースの下半分。コネクターとカモシカコースをつなげば、第1リフトまで1.5kmの滑走になります。クルーザーはカモシカとシラカバで、後者は急なスタートから白樺の中の長く穏やかなターンへと緩んでいきます。上級者は第2ペアリフトへ。チャンピオンはリフト線沿いで寒波の後は新雪が残り、チャレンジはリフトから丸見えの30度の壁とコブで始まり、リーゼンは速い大回り向きのコース。白樺の中のオフピステは禁止で、降雪が控えめなので林床が十分に深くないことも多いです。いちばんいい日は冷たい北風の寒波の直後で、圧雪バーンは柔らかく、光も澄んでいます。
アクセス
車:平庭は盛岡と久慈を結ぶ国道281号沿い。久慈から約40分、盛岡から約1時間45分、八戸からは八戸道の九戸ICから約1時間。二戸からなら国道345号と葛巻経由で約1時間。スタッドレスタイヤは必須で、強い北風の日は開けた高原で吹きだまりができることも。駐車場は3か所で合わせて約600台分、無料です。
バス:盛岡と久慈を結ぶJRバスが国道281号を通って高原を走ります。久慈駅から約50分、盛岡駅から約2時間。本数が少ないので時刻表をよく確認しましょう。
飛行機:最寄りはいわて花巻空港で、車で約2時間半です。
平庭へは自分の車がずっと楽。予約のコツと雪道の走り方は冬のレンタカーと雪道運転ガイドで。
どんな人に向いている?
- 初めての人良い
- パウダー狙いいまひとつ
- 予算重視最高
平庭高原は、小さな子ども連れの家族、初心者、静かなコースと安いチケットを求めるのんびりした中級者、そして大きなリゾートの合間に景色のいい半日を過ごしたいドライブ旅の人に向いています。上級者もチャレンジとチャンピオンで午前中は楽しめますが、それ以上はいたくないでしょう。深いパウダーを追うなら、寒波の日は安比高原か八幡平リゾートで。どこで習うか迷っているなら初心者におすすめの日本のスキー場もどうぞ。
グルメとアフタースキー
ゲレンデの食事はカレーライス、ラーメン、とんかつ、丼ものといったシンプルなロッジ飯で、家族の予算に合う値段です。
おいしいものは地元にあります。平庭は久慈市山形町にあり、くるみと黒砂糖入りの小さな団子が入ったまめぶ汁のふるさと。意外な組み合わせに聞こえますが、味わいは温かいハグのよう。高原の放牧地で育つ赤身の短角牛でも知られ、久慈周辺のメニューで出会えます。
アフタースキーはお風呂。白樺の湯で1日券を見せれば入浴料が半額に。その後は夕食と早寝。高原のナイトライフは星空を見上げることくらいです。
Japow Travelのアドバイス
営業時間:9:00〜16:00、ナイターなし。シーズンは通常12月下旬から3月中旬までですが、雪がなくなれば早めに閉まることもあるので、シーズン後半に出かける前は確認を。
チケット:大人1日券は土日祝¥2,750、平日¥2,200で、岩手でも指折りの安いスキーの一日。午前券と午後券もあり、未就学児は保護者同伴で無料です。
雪:岩手の乾いた太平洋側。降れば冷たく軽い雪ですが、量は控えめ。狙うなら北風が新雪を運んだときです。
イベント:年明けには餅つきのある新春まつり、2月には雪の上に花火が上がって締めくくるスキー祭りがあります。
支払い:小さな窓口では今も現金が便利です。
組み合わせたい近隣スキー場:ロングコースとナイターなら奥中山高原、大きな圧雪バーンと本物の標高差なら安比高原、ツリーランなら八幡平リゾート。平庭は海岸への行き帰りに寄る、景色のいい半日にぴったりです。
結論:白樺の中の静かな一日
平庭高原が雪や規模で岩手の大きなリゾートと張り合うことはありません。ここにあるのは、国内屈指の美しい森での穏やかで安い一日と、最後には半額の温泉。家族の一日、気楽なウォームアップ、海岸ドライブ旅の景色のいい立ち寄り先として行けば、疲れた脚、温まったつま先、そして白樺だらけのカメラロールとともに帰れます。
